このレポートは、かたつむりNo.560[2026(令和8)01.10(Sat.)]の差し込みに掲載されました

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怖い話を科学する 〜妖精が踊っている?〜考察編
運営委員 山 田 佳 子
 
 ずいぶん時間がたってしまいましたが、動画の回答というか考察編です。 考察はわからないことを理解するためにいろいろ調べて考えることです。 わからない自然現象を見つけたので調べたり教えてもらったりして考えてみました。
 少年団のHP のかたつむり554号に載っている動画ですが、私には妖精さんが円を描いてダンスしているように見えました。 もしも今のように科学が発達していない時代、この景色に遭遇した人がいたら「オバケが出た〜」と騒いでしまうかもしれません。 白いもやもやは一定の間隔で流れていて、まるで実体を持たないオバケたちがぐるぐる回って空に昇っていくかのようでした。 昼間だったので怖くありませんでしたが「なんだろう?」と立ち止まる程度の異様な空気はありまた。 しかも、別の日にもう一回行こうとしましたが、どこだったかわからなくなって行けませんでした。 こうなるといくらでもホラーっぽくできそうです。
 でも、それを科学でなんとかしてみます。


 動画を見ると黒い地面の上を白くてもやもやした物が大きく回転しています。その回転の中に小さな渦がいくつもあります。 この様子はゆる〜くまわっている大きなつむじ風に見えました。
 つむじ風はうずを巻く風です。台風や竜巻もうずを巻く風ですが、それよりも規模が小さいです。 規模は小さいけれど、テントが飛ばされたりするけっこう危険な風だそうです。見つけたら逃げろと書いてある本もありました。 出会うことがあったら、状況を見て判断してください。
 つむじ風は校庭や運動場などの地面がむき出しな場所で起きます。 強い太陽の光で地面が温められると、地面の上の空気は元気がよくなります (空気は元気よいとか暑い寒いとは思っていませんが、そういうイメージで考えてみてください。 少しだけ分かり易くなるかもしれません)。 『寒いよう』とくっついていた空気があたたかいと動きが活発になって、ぶつかって離れます。 すき間ができると、隣の寒がってくっついている空気の方が重くなります。 温められた空気は軽くなるので上にいきます。その下に冷たい空気が入り込みます。 でもそこは太陽の光が差し込んでいる温かい場所なので入ってきた空気も温められて浮きます。 『上に昇ってしまう空気の流れ』という上昇気流ができます。 地球は回っているので、冷たい空気は回転しながら流れ込んできます(理科の実験でがんばって理解してください)。 これを繰り返していくうちに全体がぐるぐるまわりはじめて、周囲の空気を巻き込むつむじ風になります。
 今回は畑の中にあった空地、地面がむき出しな場所です。 時期は5月で時間は昼の11 時くらいなので、雲がなければ陽ざしは強いです。 朝は寒くて雨が降っていました。雨がやんだので自転車で走っていました。 図1の空にはなんとなく青空が見える気がします。写っていませんが太陽は出はじめていました。 朝が寒かったので厚着をしていたら暑くなってきたことを覚えています。 雲はありますが、ゆるいつむじ風が発生するくらいには地面があたためられたはずで、地面全体に広がるゆるい回転が起きていました。
 さて、風そのものを見たことがある人はいますか? 風は見えません。頬に風が当たっても見えません。 でも何かが当たります。それは空気です。空気の粒は小さすぎて見えません。見えないけど存在しています。 液体や固体のように『寒いよう』とかたまりになると見えるようになります。 つむじ風や竜巻は巻き上げられる砂などが見えるためにうずの形が分かります。 小学生の時につむじ風を追いかけて砂だらけになったことがあります。 夕方の弱い日差しだったので危険なことはありませんでした。
 ではこの写真はどうして風の形がわかるのでしょうか。幽霊に見える白いもやもやは見えています。 この白いもやもやが風の形を見せてくれています。この日の朝には雨が降って、地面は濡れています。 それが太陽の光であたためられ、水蒸気が発生していたのでしょう。 つまり、白いもやもやはやかんが沸騰した時に見えるアレです。 太陽の光が水を水蒸気に変えましたが、水蒸気になったのはいいけれどなんかやっぱ寒いかもとくっついて白いもやもやになりました。 それが上昇気流で吹き上げられて風の形がわかるようになりました。
 水蒸気を作るのとつむじ風を作ること、太陽の光はそれを同時していました。 太陽がもやもやを作ってそのもやもやを使って風の流れも見せてくれました。太陽はすごいですね。
 言い方を変えてみると、 太陽神アポロンがシルフィード(風の精霊)とウンディーネ(水の精霊)を使って見せてくれた妖精たちの輪舞。
 科学で証明できるとしても、ちょっとくらいはファンタジーを残したいです。だって、とてもきれいな自然現象でしたから。



参考文献   調べ学習・自由研究に役に立つお天気まるわかりBOOK 山内豊太郎監修 成美堂出版
風はどこからくるのだろう 吉野正敏:文 夏目義一:絵 福音館書店
台風のついせき 竜巻のついきゅう かこさとし作 小峰書店




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