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かたつむり

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No.376   2012(平成24)11.18(Sun.) 藤沢市科学少年団

12月の活動 食品の科学 大豆


 12月は少年団の活動の中でも人気の高い「食品の科学」です。 毎年いそぎんちゃくのお兄さんお姉さんが趣向を凝らして様々な食品に取り組んでくれます。今年は「大豆(だいず)」になりました。
 大豆は私たちの食生活においてなくてはならないものです。若い大豆は枝豆として、成熟した大豆は、そのまま煮豆になったり。 味噌や醤油、さらには今回のメインテーマでもある「豆腐」になります。豆腐の親戚は油揚げ、がんもどき、厚揚げ、・・・。 湯葉や豆乳もありますね。
 「畑の肉」とも呼ばれる大豆。タンパク質が豊富なのですが、これは根粒菌のおかげです。 そんなお話や実験、そして試食まで一体何が飛び出してくるのでしょうか?乞うご期待!

赤:地上出口から青:G出口から
  1. 日時
  2. 12月9日(日) 9:00〜14:00


  3. 会場
  4. 湘南台小学校
    湘南台駅東口下車徒歩10分
     
    今年、初めて使う会場です。事前の下調べを十分に行い、遅刻しないよう注意してください。


  5. 持ち物
  6. 弁当、水筒、帽子、名札、上履きバインダー、筆記具
    お椀、お箸、タッパー
    ビニール袋(タッパーが入る大きさのもの)
    布巾


  7. 欠席連絡
  8. 前日までは、事務局石井自宅まで、
    当日は、事務局石井携帯まで、
    8:30〜50にお願いします。
    電話に出られない場合の方が多いと思いますのでその場合は留守番電話に入れておいてください。






10月活動 野外観察 茅ヶ崎里山公園

 10月28日(日)、約2ヶ月ぶりとなる活動でした。 今回は茅ヶ崎にある里山公園に出かけました。晴れ男の団長の強運を信じての強行開催でした。 行きの湘南台駅でざぁっと降ってきたときは一体どうなるかと心配しましたが、その後はそんなに強く降られることもなく、 しっとりとした野外観察になりました。天気の悪いときに外に出る機会は少ないと思います。 そんなことを考えると、なかなかいい体験ができたのではないでしょうか。


























ジオラマの植物から
運営委員 鈴 木 照 治

ジオラマの植物
■ジオラマの植物
科学博物館
■科学博物館
横浜動物園
■横浜動物園
長久保都市緑化植物園
■長久保都市緑化植物園
砂子の里資料館
■砂子の里資料館
水戸二中内展示館
■水戸二中内展示館
 科学少年団の活動で、毎年あちこちの博物館や資料館を見学します。施設展示の主要なものに、ジオラマがあります。 その地域を特徴づける野山の動植物の、生きたままの姿を知らせるための仕掛けです。 キツネやタヌキ、ノウサギなど以前は藤沢に住んでいた動物も、今ではいなくなってから多くの年月が経ちました。 彼らの住んでいた環境は、どんなだったか、正しく想像するのはむずかしくなりました。 以前なら、このあたりにも、野生動物が棲んでいたその当時の自然の環境を、 こまかいところまで再現したジオラマが理解やイメージつくりにたいへん役立ちます。 ところが、背景となる植物環境を微細にわたって構成するのは、実は大変な仕事になるので、つい最近まで、 背景の樹木や地面を覆う草の多くは、乾燥しても生きた状態を保つものばかりを利用し、 それを補う紙やプラスティック製の造花のようなものが使われていました。 ですから、1本1本の草や木が、それぞれの時代や人里はなれた現場の実物を忠実に再現しているわけではありませんでした。 細かいところまで復元するには、大変な予算と手間がかかり、いわゆる箱物だけをつくりあげた当時の情勢から考えれば、 それで良しとされていました。小中学校の生徒や一般の見学者の素朴な疑問に答えられる程度の背景環境の再現であれば十分と考えられ、 背景植物環境のつくりは比較的簡単なものでした。これが、20年ぐらい前までの感覚でした。 しかし、それから時代が一変し、生涯学習(社会教育とか成人教育などと呼ばれていました)がすすめられ、 パソコンの普及、ネットでなんでも調べられる時代になって、専門的な要求に十分応えられる博物館*の機能がますます重要になっています。 博物館もこの流れに応えて、細かいところまで考証が進んだ展示が整備されています。 今、私たちが何かを調べようとするとき、いちいち図書館までいかなくても、ネット検索しますが、そこで得られる知識は、 本で言うなら目次程度のもので、それで学んだとはとてもいえません。 ためしにネットで「藤沢市 鈴木照治」と打って検索してみてください。そこに出てくる数十項目を見ても、 実際の私とはかけはなれた記事が羅列されています。いつも皆さんが見ている私など到底想像もつかないと思います。 学校で教わること以外の勉強が、ますます重要視される時代がすでに始まっているのですが、図書館やネットは目次、 博物館は書き出しのあたりで、それから先は自らの実践(実戦)から学ぶという、ごく当たり前のことが、共通理解されないのです。 ここでいう実践は、学校を出てからのことではなく、幼児の段階から始まっていることです。 子どものころからそうしたことが身についていることが望まれるのです。 大人になってから動物園に写真や絵描き以外に行く人はあまりいないと思いますが、植物園はいかがでしょうか。 だれでも、自分の頭の中にある知識体系の土台は、目の前の実物体験から立ち上げたものですから、 子どものうちからどんどん博物館に行ったほうがいいと思いますがどうでしょう。
* 博物館にはいろいろあって、科学系博物館だけ見ても、動物園や植物園、花園、水族館、 ブラネタリウムや小規模の資料館も含まれます。大学や高校、小、中学校内にもあります。


新江の島水族館
■新江の島水族館
日本大学博物館
■日本大学博物館




食べたつもりが食べられた
運営委員 道 上   定

 
科学少年団「かたつむり」No.375(10・28)に投稿のK君、すごいな! 輪ゴムの切れ端、紐の汚れた切れ端ぐらいに思わなかった? 最初は干からびたヒジキに見えたけど、よく見るとあきらかに「作りがちがう」と、気づいた。 なるほど横にはカマキリが手を合わせて拝んでいます。
 ハリガネムシと思います。
 類線形動物門・線形虫綱・ハリガネムシ。体は左右対称のつくり。体長は数センチから90センチくらいまで。 直径1から3ミリくらい。ミミズとちがって伸び縮みしない。動きは方向性がないようにみえます。
 ハリガネムシ類は世界中に棲息しており、2000種をこえる、といいます。 寄生虫ですから宿主の種類分はいるのでしょう。宿主にはカマキリ、バッタ、カマドウマ、ゴキブリなど。 水生生物に分類してますが、水中に産み落とされた卵が孵化し、幼虫はカゲロウやトビケラなどの水生昆虫に寄生します。 その昆虫が羽化し陸上に移動したところをカマキリ、カマドウマなどの陸生昆虫にまるごとがぶり!と飲み込まれます。 こんどは陸生の宿主の体内で成長するのです。
 生活史は複雑でほとんど解明されていないのですが、「ハリガネムシ類は水域で産卵するため、 宿主の脳神経系を改変するタンパク質を出して行動を操作し、水にとびこませる」と言うのです。 その結果として「渓流魚に大きな餌資源をもたらしている」のではないか、 と仮説を立て大規模な野外操作実験を行った結果を報告しています。 (「自然保護」2012・11・12・Na530日本自然保護協会発行)
 K君、ぜひ目を通してください。カマキリについてもリポートが出ています。
 カマドウマは5、6年前夏季宿泊活動で群馬・栃木方面へ出かけたときに、地滑り地帯の防災対策事務所の、 水抜き水平坑道の天井・壁に数十ひき集団でいたのを見ましたね。
カマドウマは、かまど・うま=竈・馬。ハリガネムシは英語名をホースヘアー・ワームス。 なんとなく繋がっているような、いないような…。