このレポートは、かたつむりNo.463[2019(平成31)01.12(Sat.)]に掲載されました

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モッツァレラチーズの不思議な世界
6班5年 R.S.
 
★第49回藤沢市総合かがく展 優秀賞受賞★
 
目的   以前モッツァレラチーズを作った時、レシピにノンホモ牛乳(均質化していない牛乳)の低温殺菌乳でしかできないと書いてあった。 本当に他の牛乳ではできないのか疑問に思った。そこで実際に色々な牛乳を使って調べることにした。 また、どのような牛乳でどのような条件で作るとできるのか、どうしてモッツァレラチーズはとろっとのびるのか、 その理由も知りたくなったのでいろいろな条件で実験して考察した。

実験@  
店で売っている牛乳でモッツァレラチーズはできるのか?

A〜Dの牛乳を使って作り、モッツァレラチーズになっているかを「見た目のなめらかさ」、 「食感(弾力、なめらかさ等)」、「加熱した時ののび」を観察した。

<調べた牛乳> ( )内は結果
殺菌温度 低温66℃ 低温72℃ 高温130℃
ノンホモ牛乳   A(◎)  
ホモジナイズ有牛乳 B(△〜×) C(×) D(×)

<結果>   Aだけモッツァレラチーズになった。AとCの結果から、 ホモジナイズするとモッツァレラチーズはできない ことがわかった。
しかし、Bはややなめらかでモッツァレラチーズに近いものになり、Cはややポロポロ、 Dはポロポロで全く異なったチーズになったため、温度も関係しているのではないかと考えた。

実験A  
牛乳中のたんぱく質の温度(熱変性)による影響

牛乳の大部分を占めているたんぱく質は80〜85℃で熱変性が起こる。 そこで、実験@のAを85℃に加熱し、熱変性をさせた牛乳でモッツァレラチーズができるか調べた。

<結果>   Dと同じようなポロポロのチーズになった。 一度でも熱変性をするとモッツァレラチーズはできない ことがわかった。Bは熱変性の影響が少なかったため、ややモッツァレラチーズに近くなったと考えた。

実験B  
熱変性が起こらなければ、低温でもチーズはできるのか?

モッツァレラチーズを作る時、なぜ65℃に加温して酢を添加するのか疑問に思った。 熱変性が起こらなければもっと低い温度で酢を添加してもできるのではないかと考えた。そこで、酢を添加する温度を40℃にした。

<結果>   モッツァレラチーズができなかった。弾力がなく、モッツァレラチーズの味がしない。 出来上がりの量もとても少なく、加熱してものびなかった。 酢を添加する時、低温だとできない ことがわかった。

考察と結論   実験@〜Bの結果から、
  ホモジナイズ無し、
  殺菌温度80℃未満、
  酢を添加する温度は65℃、
  酢を入れる時のpHは約5.4
の4つの条件が必要であることがわかった。
また、チーズがのびる理由、条件の違いによってなぜできないのかを今回の実験と、 参考文献やチーズの専門家に聞いて、牛乳の中で起こっていることを考えた。




以下事務局からです

モッツァレラチーズとはウィキペディアより抜粋
  モッツァレッラ(伊: mozzarella)は、イタリア産のチーズの一種である。くせの無い味わいで、独特の弾力ある歯ごたえが特徴である。 熟成工程を経ないため、フレッシュチーズに分類される。 そのまま食べてもよいが、味や香りにくせがないのでパスタやピザ、グラタンなどの料理に広く使われる。

■モッツァレラチーズ


■マルゲリータピザ

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